「ありがとうニュー・サマー」2004.06.27 岩見沢遠征


 シンペーさんがミズナラの木を蹴ると、たちまち2頭のミヤマが降ってきた。

 ほどよい日差し、高めの気温と湿度。風もなく絶好の採集日和となった6月27日。早朝6時半に岩見沢に集合したシンペーさん、けんぱさん、らぶ4さんとKwAは、去年の晩夏にKwAがシンペーさんに連れていってもらった「あの森」へと向かった。

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 「うーん。小さいなあ。。」昨年とは違い、シーズン始めの採集なだけに成果はかなり期待できるはず。それでも3人を伴っての採集に、シンペーさんはこの滑り出しに不満の様子。「それじゃあ、御神木いってみますか。」

 「ここだここだ。だんだん思い出してきたよ^^」道路の両側、というより、まわり一帯がミズナラを含む雑木林。どの木にもミヤマがひそんでいそうだが、昨年とは違い、下生えが伸び放題なので、落ちてきたミヤマを見落としてしまう可能性もある。
 「シンペーさんが蹴り係、けんぱさんとらぶ4さんは捕まえてね^^。KwAは撮影するから(爆”)」なーんて言っているが、今日こそは自分の目でミヤマを見つけてみたいと意気込んでいるKwA。昨夏は、シンペーさんの後についてまわるだけで終わってしまったのだから。

 しんぺーさんの御神木のまわりも、かなり下生えが伸びてきている。今回の御利益はどうだろうか?


「ドンッ。」
 バラバラッという音とともに、4〜5頭のミヤマが降ってきたが、目がついていかない!それでも3頭を確保。やっと60ミリupが1頭と、今まで観たことのない程体毛がきれいな55ミリ程の♂も。(←胸全体も毛に覆われ、ほとんど黄土色にみえるほど)

 これで♂が5頭と、KwAの手元にはらぶ4さんが真っ先に見つけたスジ♀が1頭。


 けんぱさんの手にミヤマをのせて撮影しようとしたが、動きが早くてなかなか撮れないほど元気^^。

 クワカブ以外にも甲虫全般(カミキリ、コガネ等々)に興味のあるらぶ4さん。こまめなチェックでこのあと♀ミヤマをゲット。
 今後のブリードを考え、♀も確保したいKwAだが、側溝で★になった個体を見つけただけ。相変わらず採集が下手である。。。



ぷよさんからメールが。「出だし好調^^!」とケータイで報告。

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 ミズナラ林は早々に切り上げ、昨年も行ったM山へと向かう。実はこちらが今回のメインイベント。昨年同時期にヤナギの木でシンペーさんが多くのミヤマを採集している。KwAの行った晩夏には残念ながら採集できなかったが「この時期なら確実ですよ。ただ、今年はまだ観に行っていないんですけど。。」


 山のふもとでシンペーさんの車1台に全員同乗。相変わらずの山道を、何度も腹をこすりながら車は登っていく。轍を見ながら注意深く運転するシンペーさん。山菜とりの車が向こうからやってくると、すれ違うようなスペースの余裕はほとんどない。
 途中、いきなり車を停めるシンペーさん。「いた。」ミヤマが路上にいるのだ。目的地までの間に2頭のミヤマを拾う。KwAには信じられないような状況である。
 昨年と同じ場所に車を停め、ここからルッキング開始。「去年、崖が崩れてたとこだね」「ええ、あのあと直したんですよ」

(↓ちなみに去年はこんな感じ。)
 ここでも、ポイントを心得ているシンペーさんが先行して歩く。他の3人もヤナギを気にしながらルッキング。樹皮が明るいので、ミズナラよりもミヤマを見つけやすいとの事だが。。。また道端にも居るかもしれないので、足もとも同時に気にしながら歩いていくKwA。
 「いましたよ。」とシンペーさん。谷側のヤナギの木にミヤマが付いている。ペアが1、2、3、ほかにも♂が数頭。樹皮が割れてそこここから樹液が出ている様子。
 後で聞いたが、この木はまだシンペーさんの目指していたポイントではなかったらしい。チョウが舞っているのですぐ目についたとのこと。

 さっそく木に近づこうとするらぶ4さんを、シンペーさんが制止。下生えの笹ヤブを分ける音に驚いて、ミヤマが落ちてちまうというのだ。ヤナギの木は全体に細く、振動も伝わりやすい。

「うーん。。しまったなあ。。傘、持ってこようと思ってたんだけど、、置いて来ちゃった」と、思案するシンペーさん。ここで落としたら見つけるのは難しい。


「傘?持ってきてますよ!」らぶ4さんがバッグから傘を取り出す。ナイス!
 ←写真左下と、中央部下、その上に、交尾中のペア。左上に♂が見える。
「よしっ!KwAさんはあの上の方の大きいのを見ててください。」え?上。。。本当だ、梢の近くに、交尾中のミヤマが見える。


 傘を広げる。揺らすより先に、やはりミヤマが落ちてくる!傘からこぼれた個体をらぶ4さんが拾う。


 60ミリアップも含め、ここだけで10頭ほどもゲット。

 このあと、本命のポイントでも更に何頭ものミヤマをゲットして、折り返し地点へ。
 「ここから先は、違う樹種になってしまうんですよね。」既に皆のケースは満杯状態。充分な頭数、というより、これ以上は小型をリリースしなければ持ち帰れないほどの大量頭数。(←皆、まさかこれほど採れるとは思っていなかった。)


 戻ろうとした時、山側で目についたイタヤカエデの古木。ここまで、ほとんどヤナギしか見ていなかったが。。。KwAがよく目を凝らしてみると、、小型ながら、ミヤマを発見!やったあ。木の元に坂をよじ登るKwA。うしろかららぶ4さんが声をかける。ほかにもペアがついていた。しかも、♂は60ミリアップ。
 イタヤカエデの白くひび割れた樹皮の間に頭を突っ込み、樹液を吸っている♂。小型のはそのままにし(もうケースが限界)、大きなペアだけを採集。


 道路わきの水たまりには、サンショウウオやカエルのオタマジャクシが。



 ←さらに復路のヤナギでまたまたペア&♂数頭を発見。♀を確保したいのでなんとか採集しようとしたが、谷の切れ込みが鋭すぎて難しい。「シンペーさん無理しなくていいよ」。それでも、シンペーさんのトライで大型のミヤマが、なんと落下した勢いで草の葉に突っ込み宙づり状態(爆”)。崩れる崖に足元を滑らせながら、葉っぱごとバケツリレー状態で地上に。皆さん、大変ごくろうさまでしたm(_ _)m(←KwAは地上で待ってる状態^^;)

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 ミヤマ持ち帰り頭数。♂19頭、♀8頭。60ミリアップ♂は7頭。最大は約66ミリ。

 8:00〜10:00の間で、移動時間を除くと1時間半にも満たない時間で、とても濃い採集をさせていただきました。いつもながらシンペーさんには大感謝。ヤナギやカエデでの採集はまったく初めて。COVAさんもこれればよかったねえ、と皆で話していました。下山前に、もちろんぷよさんに結果報告^^。歓談しながらの昼食も同好の士ならではの楽しみ。この日、午後からの岩見沢は盛夏のような日差しで30度近くまで上がりました。



 らぶ4さんが捕まえたスジクワ♀は、M山中でケースのフタを閉じ直そうとしたKwAが誤ってケースの仕切で「ジョッキン」してしまいました(-忌-|||) 。。。ごめんなさい。。成仏してください。。。人(-忌- )) (( -忌-)人。
 帰り際、けんぱさんの自宅近くのポイントをちょっと覗きにいきました。そこでなんとコクワをゲット!かと思ったら、32ミリもある大歯型のスジでした!自己ギネス!
     

     

           


※文責はすべてKwAにあります。
不都合・誤記等ありましたらお知らせくださいm(_ _)m