画像重くてすみません。。。ちょっと分かりやすいように大きくしてみました^^;


国産ミヤマのギネスサイズは、一説には79ミリ
*
飼育下で、どうやったらそんな巨大なミヤマを
生み出すことができるのか。。

*公式サイズは未確認です。

80mmミヤマへの 不確かな


上の写真は、2003年8月に羽化した2年1化の国産ミヤマ(WF1。蛹全長約65ミリ。羽化時約78ミリ)です。
残念ながら羽化不全(前羽が閉じず、後羽もちゃんとたたまれず、後脚も不全)でした。(元気で寿命を全うしましたが。)

2003年12月には、1.5年1化の国産ミヤマ(WF1。約73ミリ)が完ピンで羽化した、、と思ったのですが、
活動し始めたのを見ると、後脚がちゃんと動きませんでした。これも不全ですね。
結局、こちらは後食もせずに★になりました。。。

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70ミリアップは、国産ミヤマ飼育のひとつの指標であり、憧れでもありますね^^。
もちろん完ピンじゃなきゃ、「獲らぬタヌキ」「逃したサカナ」の類みたいなもので、あんまり自慢にもなりませんが、
果たして↑→この2頭は、どんな環境で飼育されたのか?
特に先の個体の方は、単純に幼虫期間が長かっただけでここまで大きくなったのか?

結論は、まだまだ先ですが、飼育記録からのピックアップも含め、データを並べてみます。
現時点での私見も含め書いていこうと思います。ミヤマ飼育のヒントになれば。。。

(注意・あくまでも個人的な飼育記録の域を出ませんので、
この通り実行しても、サイズはもとより、生体の生死は保証の限りではありません。
くれぐれもご了承くださいますようm(_ _)m)

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2003年8月羽化個体(約78ミリ)
※2001年9月下旬孵化
2003年12月羽化個体(約73ミリ)
※2002年10月上旬孵化
飼育状況
  • 孵化から約1ヶ月(〜2001年11月初旬まで)は、半分に切ったペットボトル容器(250cc程度)に市販の粗めの一次発酵マット(くぬぎ純太君)。湿度は高め(握ったら雫が落ちる程度)。ケースを穴あきラップで保湿したのでほぼ湿度はキープ。飼育温度は、木造家屋の冷暗所室温(18〜14度くらい)。

       ↓

  • 11月初旬マット交換。この時点で2齢初期。ここから約2ヶ月(〜2001年12月末まで)は、半分に切ったペットボトル容器(250cc程度)にショップで購入した微細なクヌギ添加発酵マット(オリジナル冒険オオシリーズ)に前交換。湿度は高め(握ったら雫が落ちる程度)。湿度キープで加湿なし。飼育温度は木造家屋の冷暗所室温(16〜8度くらい)。

       ↓

  • 12月末。この時点で2齢終期〜3齢初期。ここから約4ヶ月(〜2002年4月末まで)は、小ケースに市販の粗めの一次発酵マット(商品名「くぬぎ昆虫マット」)に全交換。湿度は当初高めながら、小ケースにラップをはさんだ状態で次第に普通程度に。1ヶ月に1〜2度程度、キリフキで加湿。飼育温度は、1月〜3月末までは木造家屋の冷暗所室温(12〜5度くらい。季節と昼夜の温度差あり)。4月からは納戸で14〜10度程度の一定温度で飼育。

       ↓

  • 2002年4月下旬。居間続きの飼育室へケース移動。春は24〜22度。夏は26〜24度。秋冬24〜18度。12月中旬までの7.5ヶ月はマット交換なし(!)。1ヶ月に2度程度キリフキで加湿。湿度は普通程度で推移。

       ↓

  • 2002年12月中旬、穿孔だらけのマットを詰め直し。4割程減少してしまった分、添加発酵マット(ZAKUクルビ用関西バージョン)を追加。湿度は高めでスタート。ここからは1ヶ月に2度程度加湿しながら湿度をやや高めに保つ。2003年3月下旬頃、蛹室を作っているのを確認するが、蛹化せず(この時点で15g)5月下旬に至る。飼育温度は季節で推移しつつも、真冬には成長促進のため簡易温室を作り昼夜温度差は5度以下。冬24〜18度(多くの時間は24度近く)。春は24〜22度程度。
       ↓

  • 2003年5月下旬、蛹化。
  • 孵化から約1ヶ月半(〜2002年11月下旬まで)は、プリンカップ(150cc程度)にザクマット(関西バージョン・クルビ用)。湿度は高め(握ったら雫が落ちる程度)。ふたに千枚通しで小穴を3つあけたが、湿度はあまり変わらずにキープ。飼育温度はわりと一定(22〜18度くらい)。

       ↓

  • 11月下旬にプラケに移動。111号と呼ばれたこの個体は割出時に孵化したてのように極小だった(元気もなく落ちそうだった)ため、他の個体より発育が後れぎみ。この時点でも初令。ニッソーミニプラケの仕切つきに、1ケースを2頭で飼育(仕切で分けている)マットは、プリンのザクマットにハイパーマットを大量追加。湿度は当初高めながら、フタとの間にラップをはさんだ状態で次第に普通程度に。飼育温度は新築家屋・セントラルヒーティングの室温(24〜16度くらい)。

       ↓

  • 2003年3月下旬。それまで2月に1度くらいキリフキで加湿していたが、マットが劣化して容量が減ってきたのでハイパーマットを追加し、キリフキで大量加湿。幼虫の体重は8g程度。飼育温度は新築家屋・セントラルヒーティングの室温(暖房の関係で28〜16度くらい)。

       ↓

  • 冷夏で夏場を18〜26度くらいで過ごし、2ヶ月に1度ほどキリフキで加湿し、1度マット追加(市販の一次発酵マット)

       ↓

  • 2003年10月上旬、14g。不全対策のためいったん掘り出し、小プラケの底に高さ4センチほど黒土を詰め、その上にクルビ用マットをつめてセット。コバエシャッターで湿度キープ。

       ↓

  • 2003年10月中旬。さらに不全対策のため、1500ccビンに移動。底に黒土(高さ8センチ程度)+クルビマット。(プラケからビンに移す時点でマットは全交換)。暖房の関係で温度高めで推移し、26〜20度。

       ↓

  • 2003年12月下旬、蛹化。
考察の一端
●ミヤマ初飼育とはいえ、こうして見てみると非常に大胆な飼育法ですね(爆”)。マット交換が、1ヶ月→2ヶ月→4ヶ月→7.5ヶ月→5.5ヶ月。特に3齢以降のマット交換が半年に1度程度!あと、全般的に栄養価の低いマットや、発酵の進んでいないマットを使用しています。(後半でクルビマットを使用していますが、半年くらいそのままです)。湿度も現在の飼育個体より高めですね。混合によるマットの再発酵(高温)が無かったのも幸運としか思えません^^;。
果たして、これのどこかに巨大化のためのノウハウが隠れているのでしょうか。。。

●2回冬を越えていますが、
初年度は温度を下げ、越冬させています。この時期はマットの喰いも悪く、真冬には幼虫はほとんど活動していなかった様子です。
2年目は室温飼育&蛹化促進のために厳冬期は温室保管もしました。冬場も幼虫は活動していたようです。

●先の2年モノが羽化不全だったため、こちらは1年を過ぎたあたりから不全対策に気をとられました。マットは1年間は添加物の少ないマット(ハイパーマットやその他の一次発酵マット)。1年間はケースを広くするたびに追加という形でしたが、1年後には短い期間で2度ほど全交換(クルビマット)しています。しかしもう成長にはあまり関係がなかったようです。

●2回目の冬場、この年は
飼育棚の温度が高めであり(最高で28度くらい)、簡易温室の必要も感じませんでした。そして1.5年で12月に蛹化。もちろん休眠せず蛹化まで継続して幼虫は活動していたようです。

孵化後の発育が悪く、爆産幼虫の中でも最も小さい個体だった111号が、手元では結局最大に育ったわけですが、73ミリという体長の割に、横幅がスマートで華奢な感じの個体でした(上のあお向けの写真)。しかも後脚にマヒがあり、後食もせず、羽化(2004.1.22)後ひと月半ほどで★になってしまいました。


2004年9月28日追記
●マットについて…現時点では、市販の、添加物の少ないマット(ありていに言えば、安価な一次発酵マット)が、ミヤマを安全に巨大化させるのに向いているような気がします。もちろん、2年1化。さらに言えば、冬場は低温飼育の方がよいような気がしています。(あくまでも現時点)

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