2001年詳細記録 その3(2003年度編2)

なかなか蛹化しない3令幼虫(WF1…2頭)と、とうとう活動を始めた♀新成虫。
  4月に入っても、前蛹化してるのか、そもそも蛹室を作ってるのか、だんだん自信がもてなくなり。。。
  先に目覚めた♀(成虫)は、活動をなるべく抑えるため、相変わらず涼しい部屋(納戸)に保管していますが。。。

18)とうとう前蛹化!しかし。。。   2003.5.27




 
先に言っておきます。この時点ですでに大失敗でした。
 なかなか進展がないのと、色々と多忙だったため、日々のチェックがおろそかになり、気付いてみたらこの日、すでに前蛹化(しかももうすぐ蛹化という状態)していました。
 上の2つの写真は、小プラケを下から写したところ。そう、蛹室をケースの底に作っていて、完全な形ではなく、
底面が圧迫された変形蛹室になってしまっています。上段の写真では、前蛹の体が底面のプラスティックに押しつけられています(まだ完全に蛹になっているのではありません)。
 それなのに、進展があったことにただ喜んでいたのでした。。
この時点で掘り出せば、あるいは少なくとも1頭は間に合ったかもしれないのに。。
 蛹化が落ち着くまで、あまり覗かないようにと、そおっと元の棚に戻してしまったのです。。
(撮影/5月27日 )
19)蛹化。。。。悲惨な結果に。。。   2003.6.01
 数日後にケースを覗いてみると、2頭とも蛹化していました。
 
大きい!蛹の体長で60ミリ以上あります。

 しかし。。。

 1頭はケースの底に完全に埋もれた状態。蛹室が崩れたというより、蛹化して、もとから
蛹室の形が不完全だったために、反転するスペースもなかったようです。

 あわてて2頭とも掘り出しましたが、1頭はすでに青白く変色していました(左)。写真からは分かりませんが、蛹を頭の方向から見ると、全体がナナメにゆがんでいます。。
 もう1頭(右)も、色こそは普通ですがピクリとも動きません。。


掲出するのはツラいのですが。。。

 1頭はこのあと泣く泣く埋葬。。。もう1頭はとりあえず人工蛹室に移しましたが、数時間経過しても寝返りをうつ様子はありません。こいつもこのまま、青白く変色していってしまうのか。。。

オオクワ飼育で既に経験のあった人工蛹室(加水したオアシス製)を作り、ミニケースに入れ、10個ばかり穴をあけたラップをはさんでフタをしました。
(撮影/6月01日 )
20)なんとか生きていた蛹!   2003.6.02
 一夜明けて(非常に気が重かったのですが)。
 ケースをのぞいてみると。なんと、蛹が右向きに
寝返りをうっているではないですか!生きてた!
 しかも夜帰宅してまた見てみると、今度はうつぶせになっています。(
大きな蛹の場合、あまりひんぱんに動きを見せないケースもあるとの情報をこの時クワ仲間から聞きました。)
 
ノギスを当ててみても、やはり60ミリ以上あります。無事羽化すれば70ミリを越えるでしょう。

 しかし。。。この時初めてちゃんと気づいたのですが、
右後脚が胸元に引きつけられていません。
 やはりこの個体にも、不完全蛹室の影響があったようです。果たして、無事羽化してくれるのでしょうか。。。


(撮影/6月02日 )
21)羽化はじまる。   2003.6.25
 蛹が破水し、いよいよ羽化がはじまりそうです。



(上)右後脚の方向がおかしい。羽化後、無事に育つかどうか心配です。
(下)大アゴの形状が透けて見えます。蛹の大アゴは普通型だったのに、中身はエゾ型!
(撮影/6月25日 )

22)羽化不全。。。   2003.6.26
 夜、帰宅すると、羽化していましたが。。やはり羽化不全でした。それも、不自由な右後脚だけではなく、写真のように前翅がうまく閉ないまま固まっていて、後翅も完全にたたまれていません。左後脚は細く、うまく曲げたり、符節の方まで動きをコントロールできないようで、ひきずっています。


(撮影/6月26日 )
 いったい、どの時点で羽化不全の要素が決定してしまったのかを考えると、
1)最初の不完全な蛹室で蛹化したことにより、脚・翅の問題が発生。
2)人工蛹室に移したあとも、脚のせいでうまく蛹が反転運動できなかった。
3)羽化時に、後脚がうまく動かせないため、規定のプロセスを経ることができなかった。

などなど、原因とかんがえられる事は目白押しです。脚に関しては、1)に原因があると思われますが、脚が完全な個体でもミヤマはしばしばこのような羽化不全を起こすらしいので、人工蛹室の形状に問題があったのかも知れません。(湿度に関しては、他にも人工蛹室で羽化させた経験上、問題はなかったと思うのですが。。)
後に計測したところ、約78ミリもありました。この大きさもまた、羽化時に問題を引き起こす要因かも知れません。

23)完全な脱皮ができない。。。   2003.7.10
 人工蛹室の乾燥しすぎに注意しながら保管・観察していましたが、いつまでたっても自力で完全に脱皮することができず、頭部は皮をかぶったままです。動きも弱々しい(後脚がきかないのでよけい痛々しくみえる)。このまま★になってしまうのか。。可哀想な姿を見てるくらいならいっそ早く。。とか思ってしまったり。
 いつしかクワ棚の奥の方に移動し、観察も1週間に1度ほどになってしまいました。。いつまで生きていられるのか。。


(撮影/7月10日 )

24)♂が元気な姿を!   2003.8.03

(撮影/8月3日 )
 ほとんど半月くらい放置してしまいました。
 久しぶりにのぞき込んでみると。。。こちらに向かって威嚇してくるではないですか!なんと、元気です!羽化不全にもかかわらず、この個体は生き続けるようです。後脚が片方不自由ですが、それでも。
休眠用に、マットを敷いたプラケースに移動させました。不自由な足をひきずりながらも、潜っていきました。
 交尾は無理かもしれませんが、大事に飼ってやろうと思います。
→この個体の飼育記録は「2002年スタート分」に引き継ぎます。
25)2月から活動している♀。そろそろ限界か。。。   2003.8.06

(撮影/8月6日 )
 2月に目覚めてしまった♀。春までは納戸で飼育していましたが、7月後半からはKwAの部屋のクワ棚に移動しました。湿度とエサには気をつけ、少しでも長く生きられるようにと願っていましたが、交尾させる♂を見つけることができません。。。そうこうしてるうち、前脚の符節がひとつとれているのに気付きました(8/3)。とうとう。。。なんとか交尾させねば。。。
→この個体の飼育記録は「2003年スタート分」に引き継ぎます。

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