樹脂封入標本への道(その2)。

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1)樹脂の準備。


 東急ハンズにてエポキシ樹脂を購入。(『クリスタルレジン』150ml \980 ※日新レジン(株))> 『デブコンET』という樹脂を目的にハンズに行ったのですが、この樹脂の方が割安で、しかも色々な分量で売っていました。最大が1.5lで\5,500円。少量の方が割高ですが、大分量を買って“使えない”場合を考えて。。

 緑のラベルの主剤と、赤ラベルの硬化剤を2:1の分量でまぜます。手近にあったプリンカップを使ってみました。(容器は使い捨てになります)
 プリンを事前にドライヤーで軽く温め、混合・攪拌後に樹脂を温め、気泡が抜けやすくします。15〜20分ほど放置すると気泡はだいたい抜けてくれました。残った気泡は更にまち針で抜きます。実験標本はミンダナオネブトの♀。

2)流し込み。


 エポキシ樹脂と親和性のないポリ(ポリプロピレン)製のケースを型にしました。(シリコン型を使用することもできますが、これまたお金がかかるので^^;)。100均でいろいろなサイズのケースを購入しましたが、これは以前から所持していた製氷皿です。
 虫は、樹脂より軽いので浮いてしまいます。これを防止するためには、
 (1)ベース・脚固定・完成、と3回に分けて樹脂を注入する。
 (2)虫を逆さし、2回に分けて樹脂を注入する。
 この2つの方法があるみたいです。一般的に考えて(1)の方が成功しそうですが、せっかちなので、とりあえず(2)でやってみることにしました。ところがこれが失敗。予想以上に虫が浮いてきます。まち針で沈めながら、樹脂が少し硬化してくるのを待ちますが、すぐ浮いてくるし、この作業のせいで気泡ができてしまいます。しかもその気泡は、虫の背中についてしまう!

 
3)1度目の硬化。


 急遽方針変更〜!虫をうつぶせにしましたが、もう2回注入でやるしかないので、やはりまち針作戦です。結果、やはり細かい気泡がたくさん発生してしまいました。(樹脂はほぼ24時間で硬化します。)

4)2度目の硬化。型抜き。


 さらに樹脂を注入し、24時間後に硬化終了。型抜きします。
 製氷皿は逆台形だし、氷を取り出す要領でひねれば簡単にぬけると思い、事実その通りになったのですが。。。
 ひねった時に、圧力で樹脂じたいもわずかに変形し、虫の背中にあったわずかな気泡が広がり、羽のつぎめ沿いに空気が入ってしまいました。標本と樹脂との親和性も低かったのか、要するに剥離してしまったんですね。ショック。。。

5)切り出し。


 光に透かしてみると、やはり下半分(最初に注入した方)には気泡が多いですね。でも上半分はまあまあ^^。
 手持ちの電動糸ノコ盤で、側面を切り出しました。

6)研磨して、とりあえず完成。。


切り出した面を水ペーパー(1000番→2000番)で研磨し、コンパウンドで磨きます。
 使用したのはどちらも模型ショップで買ったプラモデル用(タミヤ製品)ですが、自分がなじんでるものというだけで特に意味はありません。エポキシ樹脂はわりと軟らかく、わりと簡単に研磨できました。(たぶんアクリル樹脂だとこう簡単にはいかないでしょう。)

 おわかりのように、いくつかの問題点はありますが、いちおう完成。
 次は、樹脂注入方法をかえてやってみたいと思います。