樹脂封入標本への道(その3)。

トップページその1 - その2 - その3

1)第2実験、1回目の流し込み。


 最初の実験封入で失敗した気泡の問題をクリアにするため、ベース・脚固定・完成、と3回に分けて樹脂を注入する方法を試してみることに。
 それと、虫表面の剥離の再確認です。標本に使用したのはアカアシ♂。前回のミンダネより大きいので、製氷皿は使えません。100均の「木ねじセット」の入っているケースが丁度よい大きさだったので、ケース目的でこれを購入。前回と同じように、攪拌後ドライヤーで樹脂を温め、気泡抜きをします。あらかじめ温めたケースに、まず、ベースとして高さ5ミリ分ほど樹脂を流し込みました。

2)2・3回目の流し込み。


 20時間ほど置き、ベースがほぼ固まった時点でアカアシを入れ、腹部と脚部がつかる程度、樹脂を流しこみます(脚固定)。この時点で大アゴまわりは、気泡が付くのを避けるためまだ樹脂の中に沈んではいません。
 さらに24時間後、今度は最後の流し込みをして、硬化までまる1日待って完成です。今回は型が四角いので、側面の切り出しは行わず、部分的にペーパーがけし、コンパウンドで仕上げました。

 
3)完成。しかし型抜き時に剥離。。。


 硬化時点では気泡も少なく、とても良いできばえに見えました。
 ところが、このケースがミンダネの製氷皿(最初の実験)より方の抜けが悪く、ケースをひねったり、マイナスドライバーでこじたりしている時、やはり標本の表面に剥離が生じ、大アゴや胸・腹の接合部を中心に、白く不透明になってしまいました。。。取り出し後、手で圧力をかけたりして、多少は密着させましたが、尻の部分などにも剥離が見られます。
 これを防ぐ手段としては、やはりスチレン溶液を使ってみるか、型抜きをスムースにするためシリコン型などを使うしかなさそうですが。。。

 次回は、剥離を防ぐ工夫をしてみます。

試行錯誤の素(2)……樹脂の節約と、工程短縮のために。
   (※03年12月9日時点での考察です。)
3回の流し込みを2回に。
今回のテスト封入(アカアシ♂)は、3回の流し込みを行いましたが、これには以下の難点があります。
●3回の流し込みが必要なので、時間がかかる。
●樹脂を小分けに使うので、樹脂にムダが生じる。

 時間だけの問題ならば、KwAのようにせっかちでなければ問題ないのですが^^、業者ではないので、必ずしも封入個体がいくつもあるわけではなく、また、小さめ個体の封入には微量の樹脂しか必要としないので、ムダが生じてしまいます。高価なものですからもったいないですよね。そこで、

●1回目の流し込み(ベース作り)の代わりに、樹脂の親和性を利用してアクリル板(もしくはプラ板)を利用する。

 ↑これにより、時間と樹脂のムダを減らすことができると思います。さらに、そのアクリル板(もしくはプラ板)にクワガタを接着することで、流し込みを1回にすることができるかもしれません。
この場合の問題点は、

●接着剤の選定(木工ボンドか瞬間接着剤だと思いますが、樹脂との相性を考えなければなりません。)
●工法が違うので、ポリ容器の型を使うことが出来ない?

 ↑この2点でしょうかね。いやはや試行錯誤の袋小路。。。。。