2002年「爆産」詳細記録(その2・10月以降)

5)産卵ケースを暴く(その1 中プラケ)   2002.10.12

準備したもの
 
●四角い大きなバット(←この中に土をあける。※100円ショップの園芸用品) 
 ●スプーン類数種
(幼虫を手で直接触らないため)
 ●空のプラケース
(使用済みマットをこちらに移していく)
 ●プリンカップ(大小あわせて16個) 
 ●製氷皿
(幼虫の一時保管用→KwAのクワガタ飼育GOODS参照)
 ●加水済みクヌギマット
(くぬぎ純太くんとショップの発酵済添加マットの混合)
 ●水の入ったポリ容器と洗面器(途中で加水済みマットが足りなくなったとき、その場で作る)
 ●予備容器、新聞紙、ビニール袋など(捨てる土を入れたり、下に敷いたりする)
      • 今年の産卵セットには小さな割カスしか入っていないので、材割り用具(ノミ・マイナスドライバーなど)は必要ありません。

KwAが産卵セットを暴くときの手順は、

(1)ケースを逆さまにして、マットをおおきな容器(バット)にあける。
(2)手でマットをすくい、固まりを崩したり、空の容器(プラケース)に少しずつ撒いたりしてマット内の幼虫を探す。

という方法です。効率が悪く、気の遠くなるような作業ですが、万一にも見落としがないように時間をかけてマットを全部見ていきます。

まずバットに、プラケ内の黒土マットを移します。期待の大きい、
2頭の♀を飼育していた中プラケの方から作業することにしました。ケースを外から見た段階では、マットの上下左右どこからも幼虫の姿は確認できません
♀の★後、2つの
ケースには加水はせず、ケースとふたの間に新聞チラシをはさんだだけの状態で約1ヶ月放置しておいたので、プラケを逆さまにして底を2〜3回たたきながら揺すると、マットは簡単に全部バット内に落ちてきました。多少固まりはありますが、全体的には砂山のような感じです。



この時点で、幼虫の姿は見えません。・・・・失敗か?

まず、手近の固まりをそっと砕いてみます。いきなり2頭いました。よく見るとバットのあちこちで幼虫が動いています。注意深くマットを探り、1頭、また1頭。。。外からは見えなかったのに、次から次へと。。結局このケースには64頭がいました。
10ミリ以下の半透明なものから、15ミリくらいのやや白みがかったものまで。。。2頭の♀の★時期にも開きがあったし、何度か産卵をくり返したようで(64頭を1頭が産んだとはさすがに思えない)、すべて1令幼虫でしたがその大きさにはだいぶ開きがありました。



加水したマットをプリンに手詰めし、中央部にあけた穴に幼虫を落とし込み、フタをします。フタに通気穴をあけるかどうか迷いましたが、それほど酸素は必要としないだろうと(もともと昆虫はほ乳類など程は大量の酸素を呼吸しないらしいです)思い、そのままフタをしました。ただ、幼虫がマットの温度・湿度等が気に入らない場合は、マットの表面を徘徊するという話を聞いていたので、マットの表面とプリンのふたとの間には少し隙間をつくりました。また、保管の際にあまりプリンを重ねすぎると通気が悪くなりそうなので、重ねて置くのは3個までとしました。
(ただし、
後になっても表面を徘徊する幼虫はいませんでしたが。

当然途中からプリンが足りなくなり、昨年使ったペットボトル流用のケースや、製氷皿も利用し、最後にはプリン1個に2頭ずつ入れることになりました。
最後に、バットに残してあった割カスをチェックしましたが、ここには幼虫は1頭もいませんでした。

この中プラケ(♀2頭飼い)に64頭の幼虫がいたとすると、もうひとつのケース(中深プラケ・♀1頭飼い)にも20〜30頭の幼虫がいる可能性があるわけです。さすがに64頭の取り出しは疲れたし、何よりプリンカップを買ってこないことには続けられないので、残りは翌日に持ち越すことにしました。念のため、今一度中深プラケを外側から観察してみると。。。側面中層部と底面に1頭ずつ幼虫の姿が。。。やっぱ生まれてるわ。。。

6)産卵ケースを暴く(その2 中深プラケ)   2002.10.13
さて、昼間に100個のプリンカップを買ってきました。いよいよ中深プラケを暴きます。
前日の中プラケと同じく、メスの★後、マットに加水はせずそのまま封印していたので、中のマットは同じくらい乾燥しています。昨日と同じようにバットにマットを移しました。

中深プラケはマットの量も多いので、3回に分けて作業。

結局、こちらの♀1頭からは、なんと47頭の幼虫が孵化していました。卵も3個回収しましたが、時期的にもうすでに孵化しないと思われます。(いちおう加湿したマットで様子をみたが、やはり孵化しなかった。)
こちらのケースの♀は★んだのも遅かったので、幼虫も
比較的小さいものが多かった。掘り出したときいちばん小さなものはまだ孵化してから間もないように小さくひ弱です。(ただしメスの★後4週間近くが経過しているので、孵化したてではなく、発育不良だと思います。)とても小さな2頭には110号と111号と命名。
ちなみに、
こちらも割カスの中にも幼虫はいませんでした。



結果、2つのケース・3頭の♀から計111頭の幼虫を回収することができました。
中ケースには64頭の幼虫がいたので、かなり密集状態だったわけですが、特徴的だったのは
ケースの外からは幼虫の姿がほとんどみえなかったことです。それ以前の観察でも、卵も見ることはできませんでした。(もっとも卵の場合は、初心者のKwAが見落とした可能性もありますが。。)孵化した幼虫は、両ケースとも主に中層あたりにおり、深い部分にはやや居ましたが、マットの表面付近からはあまり回収できなかったような気がします。KwAのマットは、黒土とクヌギマットが層状になっているわけではないし、暴いた時にマット自体も崩れてしまっているので断言はできませんが、黒土の中にばらまいたクヌギマット全体に幼虫が散らばり、クヌギ部分を食べていたと思われます。ケースの外から幼虫が見えなかったのは、外から見える部分にはクヌギマットがほとんど無かったからでしょうか。

111頭もの幼虫を飼うことはできないので、クワ仲間さんのHPに場をお借りして、里親募集をすることに。結局、里子として74頭を手放し、その後オークションで15頭を手放して、11月初めには残りが22頭となりました。
7)22頭をプリンからプラケに移動(2令から3令へ)   2002.11.24〜12.7
11月の初めまでの間、順次全国に発送されていった幼虫たちは、1令から2令へと育っていました。
今年の幼虫たちは、最終的には
ミニ仕切プラケの仕切をはずした状態で蛹化を迎えさせようと考えました。それまでの過渡期は、ミニ仕切の仕切を使って1ケースに2頭を飼育することにします。22頭に対して11個のミニ仕切プラケを購入。11月24日から少しずつプリンからプラケへの移動をはじめました。
まずプリンカップを暴き、幼虫を取りだして、仕切毎に
容量の2/3ほどクヌギマットを手詰めしたプラケにその幼虫がいたプリンのマット(土化しているものも多い)をさらに足し、加湿(プリンの時と同じ多めの加湿)をしてから真ん中に縦穴を作り、幼虫を落とし込みます。フタとの間に食品用ラップ(キリで1頭につき20個ほどの小穴をあける)をはさみ、部屋のクローゼット(室温は12〜22度くらい)に保管します。(2頭のみ子供部屋の涼しいところで管理。室温は10〜15度くらい)
毎日1〜2ケースずつ作業したので、その間、成長の遅いものでも2令にすすみ、
早いものはもうすぐ3令、という雰囲気のサイズになりました。(110号・111号は、餌食いも悪く、なんとか生きていますがまるで1令のようなサイズです。)
12月7日には最後の6頭を移動しました。この6頭は産卵ケースを暴いた時点で一番大きいかった幼虫たちで、それがいちばん後回しになってしまったのですが、この日の時点では2令として完全に成熟しているように見えます(案の定、プラケに移してから数日で3令になりました。)
12月末には、だいたい全ての幼虫が3令に進んでいると思います。

最後に移した幼虫(12/7)
8)マット詰め直し(2令から3令へ)   2003.1.15〜2.9
年が明けて2003年、1月中旬に8頭、2月上旬に4頭を里子に出すため、ケースを暴きました。
1月の時点では、7)の12/7にケース移動した6頭のうち4頭を暴いたところ、
9gに育っていました(この時点での最大サイズ)。2月には残りの2頭が、15gになっていました。この6頭は、いちばん大きいグループで、「ZAKUクルビ用関西バージョン」マットに投入していたものです。(それぞれの写真の右側がそう。)
他の幼虫は、中くらい以下のグループで、1月時点でも小さく、脂肪の蓄えも少ないようでした。

左がハイパーマット、右が9g(ZAKUマット)(1/15)



2/9に暴いた4頭のうち、小さめの2頭は、6.5gと10gでした。(←この2頭は「ハイパーマット」使用。)
その時々の手持ちのマットの関係で、大きめの幼虫を昨年12月にZAKUマットに投入していたので、マットのおかげで大きくなったのか、もともと大きめの個体なので発育がはやいのかは、現時点では判断できません。


左が10g(ハイパーマット)、右が15g(ZAKUマット)(2/9)


9)幼虫1頭落ち。マット追加。  2003.3.19

 約1ヶ月半ぶりに幼虫チェック。1頭★になってました。ミヤマの幼虫落としたのははじめてなので、ちょっとショックでした。
 マットの容量不足と、添加発酵マットなので、けっこう劣化も進んでいたので、9頭のケースにマットを追加しました。仕切付ミニプラケの個体は、これを機会に仕切をはずして広いスペースで飼育することにしました。
 
★の1頭はわりと早い時期に落ちていたみたいです。ちなみに孵化後いちばん小さかった111号と命名した1頭はしっかり育ってました。今回掘り出した3頭は8g程度。1月に見たとき(別の個体ですが)は9〜15gだったので、脂肪の蓄え量からみても、時期的に「縮んだ」のだと思われます。
 しばらくぶりに幼虫のケアをしてすっかり満足していたKwAですが、
この時加えたくぬぎマット(主にハイパーマット)が原因で、後に大変なことに。。。

10)マットの再発酵で、大失敗。。  2003.5.18〜5.19

 5/18の夜にミヤマ幼虫チェックをしたところ、ひとつのプラケのマットがあふれそうになっていました。
実は4月にも9頭中4頭のプラケのマットがあふれそうになっていて、「幼虫が盛んに移動してるんだなあ」とKwAは思い、フタにはさんでいるラップを幼虫が破りそうないきおいだったので(なんせ、
ラップを下から押し上げるほどマットが持ち上がってる)、いったん暴いて4ケースともマットを詰め直しておいたのでした。で、今回も詰め直そうかと、前述のケースを手に取ったら、やたら温かいんですねこのケース。熱もってるんですよ。。。で、気付いたんですが(←遅い;;)マットが再発酵してたんですね、これが。
原因は、ザクマット(クルビ用関西バージョン)にその他のマット(一次発酵のくぬぎマット)を加えたせいだと思います。KwAのクワ棚の温度(最高時23〜24度)もあって、幼虫をセットした状態で、マットが再発酵してたんです。まあ、ケース内で部分的に発酵しているので、中の幼虫は無事だったんでしょうが(発酵時は40度を超えますよね;;)
 この時点で再発酵しているケースはひとつですが、どうやら脱皮しているのか、何やら抜け殻らしきものが見えます(ケースの外から見える部分が狭くて判別不可能)。よくよく観察するとかすかに動いているようにも見えます。マットの温度がこれ以上あがったらどのみち危険なので掘り出してみました。やはり蛹でした。♀です。ほかの8頭はまだ3齢(一部前蛹もいます)なので、このマットが温度上昇したことにより、蛹化が促進された可能性もあります(サイズ的にもとても小さい)。


頭部が変色しています。。。(5/19)

 
掘り出した蛹は蛹室ごと露天状態で別のケースに移しましたが、ぴくりとも動きません。。。。そして翌5/19にみると、どうやら★になってしまったよう。(変色している。。。)
たぶん、温度上昇とともに蛹化したのはいいが、さらに温度が上がり、弱っていたところで掘り出したので、ショックで★になってしまったようです。。。現時点では仕方がなかったとはいえ、もうちょっと早く気付いていれば対処できたのにと思うとかわいそうなことをしました。

この時点で、幼虫は8頭。。

11)蛹化はじまる!。  2003.6.11

 去年の個体は、この時期に進展がなかったので気を抜いていたのですが、驚いたことにどんどん蛹化しています。
 数頭は見えない所に蛹室をつくっているのか、ケースの外からは見えないのですが。。。蛹化しそうもない幼虫は3頭だけで、
8頭中、すでに蛹なのが3頭(うち1頭はよく見えないけどもしかしたら羽化してるかも)。 今年は2〜3頭しか羽化しないと思っていたのですが。前年の幼虫とは飼育環境が違うのでなんとも言えませんが、これで普通なんでしょうか(KwA的には多いような気がしますが。。)。ミヤマケースのマットはいくつかがまた二次発酵していたので(^^;;そのせいかもしれませんが。。。てことは飼育温度を上げれば1年1化の個体が増えるということかも。

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続く。